コーヒーミルってどう選ぶの?選び方のコツ教えちゃいます。

アンティークから人間工学に基づいた最新のタイプまで。

手動コーヒーミルの世界はとっても広くて深いです。

初めて買う方も、買い替えを考えている方も、迷ってしまいますよね。

ここでは何機種も手動コーヒーミルを実際に試している当サイトが、ミルを選ぶポイントを紹介します。

ちょっと内容は多いですけど、これを抑えればまず失敗はありませんよ!

試さないでもわかる8つのポイント

コーヒーミルを選ぶポイントには、メーカーのサイトにも説明がなく、試さないとわからないものもあります。

反対に、ちゃんとメーカーのサイトを確認すればわかるポイントも沢山あります。

本当なら確認できたのに、買ってから後悔するのは勿体無いですよね。

コーヒーミルを買う前には、是非こちらの8つのポイントをご確認ください。

1.挽き方の範囲

「挽き方」とは挽き終わったコーヒーの粉の大きさのこと。

「メッシュ」や「粒度」とも呼ばれます。

コーヒーは抽出方法によって、適切な挽き方が決まっています。

ペーパードリップなら細挽き〜中挽き、フレンチプレスだったら中挽き〜粗挽きだったり、自分の楽しみたい抽出方法に合った挽き方にコーヒー豆を挽けるミルを選ぶことが大事です。

詳しくは「抽出器具とコーヒーの挽き方」をご覧ください。

粗挽き

中挽き

中細挽き

細挽き

極細挽き

手動コーヒーミルは、細挽き〜中挽きくらいであれば殆ど全ての機種が対応しています。

一方、エスプレッソに使う極細挽きは、セラミック歯を使った一部の機種のみが対応しているので注意が必要です。

よく間違えがちですが、ビアレッティ 社などのマキネッタ(直火式エスプレッソマシン)は、極細挽きではなく「細挽き」が推奨です。

ですので、極細挽きができるミルにこだわらなくても大丈夫です。

また、フレンチプレスやネルドリップを検討されている方は粗挽きが中心になるかと思いますが、こちらも注意が必要です。

メーカーのサイトでは、大抵のミルが「粗挽き可」になっていますが、実際は安価な1点支えのコーヒーミルは粗挽きがとっても苦手です。

1点でした内歯のシャフトを支えていないミルで粗挽きすると、内歯がどちらかに偏ってしまいます。

そのため、片側は粗くなりすぎ、もう片側は細かくなりすぎて、粒度がバラバラになってしまうんです。

粗挽きをしっかり楽しみたい方には、シャフトが2点支えのミルをお勧めします。

歯が偏っている様子

2.掃除のしやすさ

手動コーヒーミルを選ぶときに意外と忘れがちなのが、掃除のしやすさです。

特にデザインを重視しすぎてしまうと、掃除がしにくいミルを買ってしまいがち。

ご注意を。

掃除のしやすさを考えるときに気にするポイントは、主に下の3点です。

丸洗いできるか

セラミック歯のような錆びない歯かつ、樹脂やステンレスの錆びない本体であること

セラミックの内歯は水洗い可能

(ポーレックス コーヒーミル)

鋳鉄の内歯は錆びるので水洗い不可

(カリタ KH-3)

内歯が簡単に取り外せるか

工具を使わずに内歯を簡単に取り外せて、ブラシで古い粉を掃除できること

内歯

外歯

(ハリオ セラミックコーヒーミル スケルトン)

粉受けに粉が残りやすくないか

粉受けが四角かったり木製だと、古い粉が残りやすいです。静電気も少ないガラス製がベストです。

粉受けが木製だと古い粉が残りやすい

お気づきのように、レトロなデザインで粉受けに木箱のついているタイプは、大抵の製品が全てのポイントで×がついてしまいます。

もちろんデザインは重要な項目ではあるのですが、掃除がちゃんとできていないコーヒーミルでは、古い粉のせいで肝心のコーヒーに雑味が出てしまいます。

コーヒーを楽しみたいのか、インテリアとしてのコーヒーミルを楽しみたいのか、ご自分の目的をよく考えてご検討ください。

3.粒度調整のしやすさ

こちらも忘れがちなポイント。

殆どの手動コーヒーミルは、分解掃除すると毎回粒度を調整することになります。

ですので思ったより粒度調整の機会は多いです。

粒度の調整方式によって、調整時のしやすさは随分違うので、ご確認ください。

上部調整式

シャフト上部にネジが切ってあり、調整ナットとそれを留めるストッパーで調整する方式。

手動コーヒーミルの粒度調整方式といったら、コレ。

粉受けが木製のレトロなコーヒーミルで使われている調整方式であり、最も一般的です。

金属パーツ同士で固定するので、一度粒度を決めれば安定して保持可能。

金属パーツなので耐久性も高いです。

一方で、粒度の調整はやや慣れが必要。

調整ナットをどれだけ回転させたか確認するのが難しく、また、調整ナットの切り欠きとストッパーの位置を合わせなければいけません。

思うように粒度調整するのはちょっと難しいです。

また、この上部調整式の亜種として、「ダイヤル式」の粒度調整機構を持つミルもあります。

このタイプは、調整ナットの緩みを切り欠きで留めるのではなく、ストッパーの摩擦で留めるように変更してあります。

このおかげで、粒度調整の度に分解する必要がなくなり、調整ナット(ダイヤル)を回すだけで調整と固定が完了します。

この方式は、調整が最も簡単であるという大きなメリットがある一方、使っているうちに緩みやすいというデメリットもあります。

(写真)カリタラウンドスリムミルのアップ引用

有名なザッセンハウス社のミルや、カリタ社のラウンドスリムミルなど、比較的高級な手動コーヒーミルがこの構造をとっていることが多いです。

下部調整式

シャフト下部にネジが切ってあり、樹脂製で凹凸のある調整ナットを回し、内歯の位置を調整する方式。

調整ナットの凹凸と内歯側のパーツの凹凸が噛み合い、緩みを防止する仕組みになっています。

この方式の利点は、調整ナットを回転させる時の「クリック音」で調整具合がわかることです。

調整ナットを回転させるとき、調整ナットの凹凸が内歯側のパーツの凹凸とこすれあい、「カチッ!」という音がします。

調整するときは、調整ナットを最大まで締め込んでから徐々に緩めます。

そのとき、この「カチッ!」という音の数を数えておくことで、自分がどれだけナットを緩めたかがハッキリとわかるのです。

一方、長年使用しているうちにこの凹凸が摩耗してくる点がこの方式の欠点です。

とはいえ、この方式を長く使用している当サイト管理人でも、使用しているうちに緩んだミルはまだ見たことがありません。

ポーレックス社のコーヒーミル、ハリオ社のセラミック・スリムを筆頭に、最近の手動コーヒーミルはこの方式が非常に増えてきています。

4.一度に挽ける量

コーヒーの使用量は、抽出方法によって異なります。

例えば、一般的なペーパードリップでは、1人前は約12g、2人前は約20gのコーヒー豆を使います。

どんな抽出方法のコーヒーを何人分飲みたいかに合わせて、一度に挽ける量を選びましょう。

ハリオ セラミック コーヒーミル スケルトン 72g

ポーレックス コーヒーミル ミニ 19g

手動コーヒーミルは、小さいもので20g程度から。

中くらいのもので35g程度、大きいものなら70g以上あるものもあります。

手動で挽くことだけを考えている方なら、ペーパードリップ3人分の28gくらいで結構疲れてしまうので、中くらいのもので十分だと思います。

コーヒードリリングを考えている方には、中くらいから大きいもの量のものをおすすめします。

来客時に大活躍してくれます。

ちなみに、大体のメーカーサイトに「一度に挽ける量」は記載されていますが、これはホッパーに入る豆の量ではなく、粉受けに入る粉の量が記載されていることが多いです。

粉受けには沢山入ったとしても、ホッパーに入る量が少ないのでは、コーヒー豆を途中で継ぎ足す必要があって面倒です。

可能であれば、ホッパーに入る量を確認しましょう。

5.挽きやすい形状

手動コーヒーミルのハンドルを回す方式は、主に下の2つになります。

  • ミルを持ち上げて両手で回す方式
  • ミルを机に置き片手で抑えて片手でハンドルを回す方式

このうち、コーヒー豆を挽きやすいのは「ミルを持ち上げて両手で回す方式」です。

一見、机に置いて片手でコーヒーミルを回すタイプが楽なような気がします。

ですが、ハンドルを回す力は思いのほか強力。

机に置いたコーヒーミルをかなりの力で抑えないと、満足に回すことができないのです。

机に固定するための吸盤がついているミルもありますが、その効果もいまいち。

やはり「ミルを持ち上げて両手で回す方式」の方が、ハンドルを回す手とミルを持つ手の両方を回して効率よくコーヒーを挽くことができるようです。

コーヒードリリングを考えている方も、机に置くタイプのミルはそれ自体が回転することもありますので、手に持って回すタイプをおすすめします。

6.蓋の有無

蓋があるタイプをおすすめします。

蓋が無いと、コーヒー豆を挽いているときにコーヒー豆のカケラが飛び散ってしまいます。

コーヒードリリングの場合は、高速回転しますのでさらに大変なことに。

また、本体にしっかりはまるタイプの蓋であれば、アウトドアで使う際もホッパーにコーヒー豆を入れたまま持ち運びでき、とっても便利です。

今は殆どの手動コーヒーミルに蓋がついています。

デザインによっぽど強い思い入れがなければ、蓋つきのミルをおすすめします。

蓋のないコーヒーミル

7.豆の入れやすさ

これも盲点となるポイントの1つ。

ホッパーの直径が小さいミルは、豆を入れるときにシャフトに豆が当たって跳ね返り、結構な確率で豆をこぼしてしまいます。

ホッパーサイズがとても大きいコーヒーミル

ホッパーサイズが小さいコーヒーミル

目安として、ハリオ社セラミック・スリム程度であれば、ストレスなく豆を入れられます。

一方、ポーレックス社のコーヒーミル程度だと、かなり豆をこぼしてしまいます。

とはいえ注意して入れたり、手をろうとの代わりにして入れれば改善はできます。

他の優先的なポイントと比較してご検討ください。

8.ドリリング用アダプタ

コーヒードリリングを検討する場合、手動コーヒーミルをドリルドライバーで回すためのアダプターが必要です。

ミルによってシャフトの形状が違うため、どんなアダプターが必要かを事前に確認する必要があります。

粒度調整が上部調整式のコーヒーミルの場合

小判形の穴形状の専用アダプターを購入して直に繋ぐか、六角ナットを購入してシャフトに取り付け、市販の六角ソケットアダプターを使って繋ぎます。

前者の場合は専用のアダプターを購入するだけです。

ハリオ セラミックコーヒーミル スケルトンと専用コーヒーミルアダプター

後者の場合、ハリオ社のコーヒーミルであればM6のナット、カリタ社であれば1/4インチネジの六角ナット、六角ソケットアダプターは対辺10mmのものを使用します。

ハリオ セラミックコーヒーミルスケルトン

+M6の袋ナット

+対辺10mmの六角ソケットアダプター

市販の六角ナットは「ユニクロメッキ」というメッキがされている製品が多いです。

このタイプのメッキは六価クロムという有毒な材質が含まれていることがあります。

六角ナットを選ぶ際は、ユニクロメッキではなくSUS304製のものを選んでください。

また、後者の場合、挽き終わった後に六角ナットが固くしまってしまいます。

これは、「かじり」という現象で、六角ナットが摩擦で溶着したためです。

分解のために、対辺10mmのレンチをご用意ください。

粒度調整が下部調整式のコーヒーミルの場合

ハンドルを取り付けるシャフト形状は様々です。

五角形だったり、六角形だったり、長方形であったり。

ミルによって専用アダプターが存在するものや、電動工具用の六角ソケットアダプターが使えるものもありますので、シャフト形状をご確認ください。

五角形のシャフト

(ハリオ セラミックミル スリム)

長方形のシャフト

(ポーレックス コーヒーミル)

五角形と長方形のタイプは、専用のアダプターが販売されています。

コーヒーミルアダプター CMAD-P1(左)CMAD-R1(右)

試さないとわからない3つのポイント

手動コーヒーミルには、買う前に是非知っておきたいのに、メーカーのサイトには説明がないポイントがいくつかあります。

当サイトでは実際にコーヒーミルを評価することで、こうしたポイントを比較しています。

コーヒーミルを選ぶ際には是非、参考にしてください。

1.粒度の均一性

コーヒーの愛好家にとって、最も気になるポイントです。

コーヒーの粉の粒度がばらばらだったり、微粉が多かったりすると、狙った味になりません。

特に、粗挽きや中挽きのつもりなのに細かい粉が沢山入ってしまうと、雑味の多いコーヒーになってしまいます。

昔から、どのコーヒーミルが粒度が均一なのか、という議論がずっと続いてきました。

しかし粒度という尺度はご家庭で計測するのは難しい項目です。

そのため、挽き終わったコーヒーの見た目の均一さだけで語られることが多く、あまり定量的には比較されたことがないように思います。

当サイトではJISの測定方法に基づき、「試験用ふるい」という器具 を使って粒度を測定

しています。

試験用ふるい

2.挽くのに必要な力

コーヒー豆を挽くのには、思ったよりも力が必要です。

手動コーヒーミルはどうしても疲れてしまうので、できれば軽い力で挽けるミルの方が嬉しいですよね。

コーヒーミル愛好家の間では、昔からどのミルが軽く挽けるなど、情報が交換されてきました。

当サイトではこの「挽くのに必要な力」を同じ条件で実際に計測し、誰でもわかるカタチで共有しています。

プッシュ・プルゲージでの計測

3.挽ける速さ

コーヒー豆が軽い力で挽けるのも重要ですが、力が必要でも早く挽き終わりたい、という方も多いのではないでしょうか。

この二つはバーターの関係にあり、軽く挽けるミルは挽き終わるのに時間がかかり、重いミルは挽き終わるのが早い傾向にあります。

当サイトではコーヒー豆が挽ける速さも計測し、挽くのにかかる力で見比べられるようにしています。

コーヒーミルを選ぶ際は、お好みで好きなポイントの方を優先してください。