ドリルドライバーのバッテリーには、いくつかの種類があります。
コーヒードリラーにオススメのバッテリー方式はどれでしょうか?
この記事では、バッテリーの種類と特徴について紹介いたします。
主流はリチウムイオン!3種のバッテリー方式
従来までのバッテリー式ドリルドライバーには、主にニカドバッテリーが採用されていました。
その後、ニカドバッテリーの短所を改良したニッケル水素バッテリーが一部のメーカーで採用されましたが、同時期により高性能なリチウムイオンバッテリーが登場。
現在のドリルドライバーの新しいモデルは、このリチウムイオンバッテリーが採用されています。
リチウムイオン バッテリー
リチウムイオンが正極〜負極を行き来することで、充放電するバッテリーの総称です。
スマートフォンなどのバッテリーに使われている、高性能のバッテリーです。
国内ではマキタ社が初めて電動工具に搭載。
以後、バッテリー式電動工具は、このリチウムイオンバッテリーが主流となっています。
長所
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沢山のエネルギーを貯められる
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電圧が高くパワーがある
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メモリー効果がない
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自己放電が少ない
体積エネルギー密度が250-676Wh/Lと、ニカドバッテリーの5倍近く、ニッケル水素バッテリーの2倍以上のエネルギーを溜め込むことができます。
その分、1回の充電で長く使える、もしくは小さいサイズでも同じ量のエネルギーを溜め込めるということになります。
また、電圧も3.6V程度と、非常に高いです。
ニッケル水素バッテリーやニカドバッテリーの電圧が1.2V程度なのに比べ、3倍近くあります。
このため、同じパワーを出すのにもバッテリーを直列でつなげる本数を減らす事が出来るので、バッテリーのサイズを小さくできます。
私の使っているIKEAのドリルドライバーは、写真のようにバッテリーが小さくて軽いにも関わらず、十分なトルクをもっています。
これも、リチウムイオンバッテリーのなせる技です。
コーヒードリリングは片手でドリルを操作するので、できればこの軽さはとっても大きなメリットになります。
また、メモリー効果が少ないという特徴も非常に大きな長所です。
ミニ四駆をやっていた男性なら経験があるかもしれません。
例えばニカドバッテリーは、充電分を使い切らずに継ぎ足し充電してしまうと、起電力が減ってしまい、見た目の容量が減ってしまいます。
これがメモリー効果です。
リチウムイオン電池には、このメモリー効果がなく、いくらでも継ぎ足し充電できます。
そのおかげで、ちょこちょこ充電して使い続ける事が出来るのです。
また、ニカドバッテリーでイライラの原因だった自己放電が少なく、間を開けての使用も可能です。
たまにコーヒードリリングをしたいライトユーザーでも、バッテリー切れのイライラを感じづらくなります。
短所
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安全性確保のための保護回路が必要
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価格が高い
スマートフォンのリチウムイオンバッテリーが爆発した!
というニュースをたまに聞くことがあるかと思います。
リチウムイオンバッテリーは他のバッテリーに比べ、エネルギー密度が高いため、本質的に不安定な性質を持ちます。
そのため、リチウムイオンを使ったバッテリーには、通常の乾電池と違い、電圧調整などを行う保護回路が必ずついています。
大手メーカーの製品を使えば、安全性が担保されているため、ユーザーの我々が心配することは特にありません。
ただし、あまりにも低価格で聞いて事の無いメーカーの製品などは、注意した方が良いかもしれませんね。
また、リチウムイオンバッテリーは、原材料などの理由から比較的高価です。
交換用のバッテリーも、こんなにするの?と思う程高かったりします。
これは、単に原価の問題だけでなく、プリンタ商法のようなビジネスモデルをメーカーが目指している、という理由もあるようです。
ニカド バッテリー
ニッケル・カドミウムの略で、ニカドと呼ばれています。
ニッケル水素バッテリーや、リチウムイオン電池が開発される前は、主流の蓄電池でした。
ミニ四駆の充電バッテリーや、シェーバーなどで馴染みのあるバッテリーではないでしょうか。
過去のモデルの充電式ドリルドライバーには、こちらが搭載されているものが多かったようです。
現在ではリチウムイオンバッテリーに主役の座を譲り、安価な入門モデルなどに細々と採用されています。
リチウムイオンバッテリーより安全性に優れているため、現在もシェーバーやバリカンなどの水回りの過酷環境で使われる機器に、搭載されていることが多いようです。
長所
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コストが低い
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安全
長い歴史があるため、コストが安くなっているのが特徴です。
ドリルドライバーにおいても、リョービ社の入門用機などでは、ニカドバッテリーを使用している低価格機などがあります。
また、リチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が低いため、比較的安全です。
短所
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貯められるエネルギーが少ない
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メモリー効果が顕著
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自己放電しやすい
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環境負荷が高い
リチウムイオン電池に比べ、同じ体積あたりに貯められるエネルギーが1/5程度と非常に少ないです。
そのため、バッテリーパックが非常に大きくなってしまっています。
7.2V程度の弱いパワーのモデルでも、大きなバッテリーパックがドリルドライバーの下にくっついています。
また、上述のメモリー効果と自己放電という特徴から、使いたい時にバッテリーが切れているという事態が発生し易いです。
イタイイタイ病の原因物質であるカドミウムを使用しているため、廃棄時に環境に負荷を与える可能性があります。
環境を重く考える傾向にあるコーヒードリラーには、やや抵抗があるかもしれません。
ニッケル水素 バッテリー
エネルギー密度、メモリー効果、自己放電、そして環境負荷といった、ニカドバッテリーの短所を改善したバッテリーになります。
エネループに使われているバッテリー方式、といえば一番しっくりくるのではないでしょうか?
リチウムイオンバッテリーには及ばないものの、安全性やコストの点から、乾電池タイプの蓄電池には広く普及しています。
このタイプのバッテリーを採用しているドリルドライバーは今は非常に少ないので、割愛させていただきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ことバッテリーに関しては、基本的にリチウムイオンバッテリーがニカドバッテリーの上位互換であることがお分かり頂けたかと思います。
当サイトとしては、バッテリー式のドリルドライバーを選ぶのであれば、リチウムイオンバッテリーのタイプを推奨致します。
「いつでも、どこでも、思い立ったらすぐ挽きたてコーヒーを!」というコーヒードリリングの魅力を体感できますよ!
コストがどうしても厳しい場合は、下手にニカドバッテリーのタイプを選ぶより、コード式ドリルドライバーをオススメします。